先日、福井県の鯖江にある漆屋さんへお邪魔してきました。
漆屋さんというのは「漆を売る人」です。
私たちのように漆を塗る人間がいるという事は、漆の木を育てそこから樹液を採取する人がいて、それを精製して販売してくれる人がいるという事なのですが、それがなかなかに深い世界で、普段は殆ど表舞台には現れない本当に縁の下で日々私達を支えてくれる、なくてはならない大事な存在なのです。
漆は化学。と漆を触る人は言いますが、漆の木は生きているので毎度同じ状態が保たれている訳ではありません。採取する場所、採取する年などその時の環境によって都度状況が変わります。それを五感で感じ、対話しながらそれぞれの使い手に合わせて調合していくという、まさにプロフェッショナルが求められるお仕事なのです。
年季の入った攪拌桶や各地から集められてきた漆の入った樽、練った漆の状態を観察するツケ試し、手入れの行き届いたヘラ、、、
どれも美しく、信頼を与えてくれる機械や道具達でした。
代々続いてきた職人の想いがいつも送ってもらう漆にはしっかり込められているのだな、という意識を改めて持つ事ができ、大変貴重な経験になりました。
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